Suchmos

Suchmos

横浜・茅ヶ崎出身の仲間が集まって組んだバンド、Suchmos。メンバーはYONCE(vo)、HSU(b)、OK(dr)、TAIKING(g)、KCEE(DJ)、TAIHEI(key)の6人。バンド名はルイ・アームストロングの愛称、サッチモに由来する。 ヴォーカルのYONCEは高校時代にOLD JOEというロックバンドを組み、華のあるフロントマンとして早くから注目を浴びていた。YONCEはOLD JOEと並行し、2013年にHSU(b)、OK(dr)、元メンバーのAYUSTAT(g)と共にSuchmosを結成。4人はディアンジェロやエリカ・バドゥなどブラック・ミュージックに傾倒し、そこからカーティス・メイフィールドやダニー・ハサウェイなど60〜70年代の音楽を深掘りするようになる。またジャミロクワイにヴィジュアル、音楽性ともに多大な影響を受け、初期は"和製ジャミロクワイ"とも称された。2014年「フジロックフェスティバル」の新人登竜門的なステージ「ROOKIE A GO-GO」に出演し、翌2015年にEP「Essence」でデビュー。ロック、ソウル、ジャズ、ヒップホップなど多様なエッセンスをバンド・サウンドに落とし込んだモダンなスタイルが高く評価された。しかし、その直後にAYUSTATが音楽性の違いを理由に脱退。新たなメンバーとしてTAIKING(g)、KCEE(DJ)、TAIHEI(key)が加入し、現在の6人体制となった。そしてこのとき、YONCEの所属するOLD JOEが解散。なお、TAIKINGとHSUはヒップホップ・バンドのSANABAGUN.のメンバーとして活動している。 新体制の6人で作り上げた1stアルバム『THE BAY』(15年)は、「Essence」で示したアーバンでグルーヴィーなサウンドに加え、KCEEのスクラッチ音が全編にわたり散りばめられるなど、ヒップホップ的な手法も効果的に取り入れられた。このころ日本の音楽シーンではシティ・ポップ・ブームが加熱の一途を辿り、Suchmosはその筆頭株バンドとして急速に名を広めていく。 カリスマ的な魅力を放つYONCEを筆頭に、6人のラフでナチュラルな佇まいも熱い注目を浴びた。サードEP「MINT CONDITION」(16年)のリード曲「MINT」のミュージック・ビデオは、リーバイスとのコラボレーションで制作。ストリートに生きる6人の姿を捉えた映像はSuchmosのメンバーが共有する仲間内の思いを具現化したものだった。 一方で「STAY TUNE」がCMソングに起用されるなど、世間の注目は高まるばかり。そして、その期待値を軽々と超えてきたのが、2ndアルバム『THE KIDS』(17年)。ジャンルを超えた豊かな音楽体験を洒脱なサウンドに反映し、グランジな一面ものぞかせた本作で、彼らは世間が当てはめたシティ・ポップの文脈からするりと抜け出してみせた。 そして2017年、Suchmosはさらなるステージに歩を進める。ソニー・ミュージックレーベルズとアーティスト専属契約を結び、自らの所属レーベル「F.C.L.S(エフ・シー・エル・エス)」を発足。レーベル名は「First Choice Last Stance」の頭文字を繋げたもので、どこまでも自分たちらしくあるという結成時から変わらぬスタンスが示された。 2018年はNHKのサッカーW杯テーマソングとして、「VOLT-AGE」を制作。異なる文化間の相互理解や平和への思いも歌い込んだスケールの大きなアンセムで、同年末には「NHK紅白歌合戦」に初出場してこの曲を演奏した。また、この年は「フジロックフェスティバル」のグリーンステージに出演し、地元の会場である横浜アリーナで初のアリーナ公演2daysを成功に収めるなど、ライヴ動員数を飛躍的に伸ばしていく。 バンドを取り巻く環境が激変するなか、1年にもおよぶ試行錯誤の末に生み出された『THE ANYMAL』(19)は、大きな転機作となった。長尺のジャム・セッションを軸に、サイケデリックかつプログレッシブヴなコズミック・ブルースを鳴らし、新たなフェーズへ移行。このアルバムを携え、2019年夏にデビュー当初からの目標であった横浜スタジアム公演を開催し、3万人の観客を前に堂々たるパフォーマンスを見せた。 リスクを恐れずに大胆な変化を続け、日本の音楽シーンに絶えずインパクトをもたらすSuchmos。地元・神奈川の仲間同士、つるんで遊ぶ日々の中から生まれたグルーヴィーなサウンドは、とどまることなく進化と拡大を続けている。